しかたないという人生観

私の近くに、

「しかたない」

「どうしようもない」

が口ぐせの人がいました。



ふたりも。



どちらも男性で、

社会的に責任のある地位にあり、

相当忍耐強い人たちでした。




私からすると、がまんし過ぎなくらい。



彼らは、

親戚や他人から


面倒ごとを押しつけられていました。

それを、

「しかなたい」

「どうしようもない」

といって耐え、

自分ひとりで背負い込むのでした。



しかも、

ふたりとも深酒をします。

そして、

「しかたないんだ」

「どうしようもないんだ」

と、酔った目をして何度もいうのでした。





面倒ごとをやってくれる人は

便利な存在です。

だから、

泣きついてくる人は後を絶ちません。

それらをすべて、

「しかたない」

「どうしようもない」

といって引き受ける。




彼らは、

ずっとそういう生き方でした。

人々からとても頼りにされました。



ところが、

本人が亡くなると、

驚くべきことが起きます。




さんざん世話になった人たちが、

誰ひとりとして、

「感謝している」

といわなかったのです。




本人は亡くなっていますから、

それで終わりということでしょうか。







人生を

「しかたない」「どうしようもない」

と見ていると、

当然、どうしようもない人生を送ります。



さらには、

大勢の人が甘えに来ます。

甘えるだけ甘えて、去っていきます。




「しかたない」人生観の人は、

自分の人生を

必要以上に苦しいものにし、


同時に、

まわりの人の人生を

甘ったれたものにするのです。







「しかなたい」ことなど、

この世にひとつもありません。

自分では変えられないように見えることにも、

大きなプラスの学びがありますから。




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「静かな樹」は、
カウンセリングとヒプノセラピーのサロンです。

どのような考え方に基いて
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