本筋にとどまることが難しい人
2014年2月24日
あることをわかってもらおうと説明し、
その例を挙げたとき、
その例に対して反応してくる人がいる。
こんなふうに。
わかってもらいたいこと。
「人はそれぞれ、気づかないうちに持っている価値基準がある」
その一例。
「子離れせず、30近い息子の世話を全部してやる母親。
彼女はそうすることで、自分の存在意義を保っている。
『私がいなければ息子は生きていけない』と思い、
それを生き甲斐としているのだ」
と話すと、即座に、
「うちの息子は遠くで一人暮らししているから、
世話なんか焼いてません」
と反応する。
こちらが言わんとしているのは、そこじゃない。
こういう人と話していると、
しょっちゅう重要な点からずれていくので、
それをいちいち軌道修正することにエネルギーを取られることになる。
そもそもそういう人は、人の話を聞いていない。
聞いていながら聞いていない。
うちの母が、そういう人だった。
人の話を聞くというのは、その人が最も言いたいことを理解すること。
こういう人もいる。
きょう楽しかったことを話したいと、こちらが思う。
「Aデパートに行って買い物をしていたら、
ばったりBさんに会った。
Bさんと話していたら、○○といううれしい情報をもらった」
それを話し始める。
「きょうね、Aデパートへ行ったら」
と!
そこでいきなり遮って話し出す人がいる。
「Aデパート、私もきのう行った。
5階でバーゲンやってて、コートを半額で買えた」
終わり。
こちらが何を伝えたかったかには、お構いなし。
こちらは、話を続ける気も失せる。
父が、思いっきりそういう人だった。
相手が最も言いたいことを理解する。
そういう気持ちがないと、会話は成立しない。
一見成立しているようで、していない。
単に言葉が行き交うだけだ。
そして、会話しないということは、
永遠に相手を理解できないということだ。
困ったことに、こういうことをやらかす人に限って、
自分は会話していると思っている。
夫婦の会話、親子の会話。
本当に会話していますか。
会話しているつもりになっていませんか。
それでいながら、
「うちの子は、妻は、自分に何も話してくれない」
と嘆いていませんか。
日頃聞く姿勢を持っていなければ、
大切なことなど誰も話してくれません。
話してくれないと嘆くより、
相手が、あなたにわかってもらえなくてつらいということに、
気づいてください。
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「静かな樹」は、カウンセリングとヒプノセラピーのサロンです。
どのような考え方に基いてカウンセリングを行っているのかを
書いていきたいと思います。
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平成24年9月30日 (中秋の名月)