自分の人生を人に決めさせていいのか

先日、ある場所でたまたまお会いした方。
心療内科に通っていらっしゃるとのことでした。

ちっともよくならないとおっしゃるので、
心の向きを転換できたらと思い、
その場でいろいろお話ししました。
許された時間は数分間でしたが。

でも、その方は、私の提案をすべて却下しました。


たとえばこんなふう。仮にその方をAさんとしましょう。

私「丹田に気が集まるようにするといいんですよ。
  気功や太極拳を習いに行ってみてはいかがですか」

A「時間がありません」

私「今はDVDも出ているから、家の中で畳一畳あればできますよ。
  とっても気持ちいいし、体にもいいんですよ」

A「時間取れませんね」


実はAさん、最初に言っていたんです。
眠れなくて、朝早く起きてしまうと。
そこからずっと、考えごとをしてしまうと。

それでも、時間がないと言い切る。

どんな会話のときでもそうですが、
相手の話の矛盾をつくときは、それが本当に必要なときに限ります。
Aさんの大いなる矛盾を、私はそのままにしました。

なぜなら。
このあとAさんはポロリと言ったのです。
「重いものを背負わされたなあと思って」

その重いものが何を指すのかは、ここには書きません。
が、これを聞いて私は、何を言っても無駄だと感じました。
Aさんは、自分が被害者だと決めてかかり、
そこから抜ける気がさらさらないからです。

自分が被害者だと決め、
そのせいで今の自分は変えられないと信じることを選択すると、
当然、その状態はずっと続きます。

突破口があっても、そこから出ることを拒みます。

今の状態でずっといたいのです、実は。


Aさんは、あの状態を続けるつもりです。
おそらく、人生は下降線をたどるでしょう。
そして、そのことをAさんは、
背負わされた重いもののせいにし続けるでしょう。

残念なことです。
まだ20代だというのに。


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「静かな樹」は、カウンセリングとヒプノセラピーのサロンです。

どのような考え方に基いてカウンセリングを行っているのかを

書いていきたいと思います。

 

毎週月曜日 朝8時、更新予定です。乞うご期待。

平成24年9月30日 (中秋の名月)